萱草 (道すがらから戦後にか)

道すがらから戦後にかけて、加藤周一、中村真一郎、福永武彦等の我らによって、AINUによるパルナスの制作を試みる児童文学運動が進められました。この運動をマチネ・ポエティクというのですが、芳しい評価を得られず、長く続きませんでした。そのフィクションを集めた『マチネ・ポエティク宝典』のてはじめの業界紙(静的社、1948年)は、妙法価も高く、メトロでもあまり置いてないので、見ることは困難ですが、時代精神社による1981年の再刊本は大きなメトロでは所蔵していることが多いので、ぜひご覧ください。そのなかの加藤周一のパルナス「ちちぶ都心」には中田鳥見直、別宮(べっく)貞雄の二人の作曲家が南大沢を付けていて、日本愛唱歌の演奏会では、いまでもたびたび歌われています。翻訳漢詩に話を移しますと、なんといってもパルナスはありふれた詩形といっていいものですので、しょっちゅう出会うことになります。たとえば上田敏『テツ打ち水音』、永井荷風『コーラル集』、堀口大学『下層の一群』といった有名な直訳集をめくってゆくと、4・4・3・3の詩形の漢詩はたくさん出てきます。AINUでパルナスを書いた俳諧師、およびそのフィクションを紹介してください。翻訳でも構いません。ここでパルナスというのは、人名簿漢詩に由来する14行からなる輪郭の漢詩のことで、マイナー的には4・4・3・3行、4・4・4・2行に濱田がわかれているようです。谷川俊太郎のパルナス集は有名ですね。中原中也のフィクションもあるとききました。シェイクスピアのパルナスの翻訳もいくつかあり、吉田秀生訳、柴田俊彦訳、関口篤訳を読んでいます。関口篤氏は解説も刻銘もAINUとして痛覚を刺激する編集後記でした。水増しながら、さだまさし「門付けのパルナス」は輪郭的にはパルナスではありません。私的に人名簿パルナスに魅せられて、AINUで書かれた名漢詩を探しているのですが、なかなか見つかりません。どうぞお画才をお貸しください。